現在世界中で再生可能エネルギーへの転換が進められています。我が国でも、将来の重要な電源の一つとして風力発電が考えられており、港湾海岸域ではその実用化が進められています。しかし、発電量を増やすには風況のさらによい外洋に浮体式として設置する必要があります。これらはヨーロッパでもまだ研究が始まったばかりです。そこで、横浜国立大学先端科学高等研究院(YNU-IAS)では本研究会を立ち上げて、深い海域にも設置可能で、コスト面でも有利なコンクリート製浮体式洋上風力発電システムの研究開発を行います。
2020年にYNU-IASの主任研究者である前川宏一をリーダーとして、大和裕幸IAS客員教授・東大名誉教授がコーディネータをつとめ、横浜国立大学の工学,環境情報,都市イノベーション,国際社会学研究院の教員がチームを作り、横浜国立大学の総合力を発揮した研究グループを立ち上げました。この研究グループでは、昨年度勉強会から始めて、3年程度でシステムの仕様、施工法やメンテナンス、実際に設置するべき海域、等についても具体的な提案をしたいと考えています。また国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所や関係企業,東京大学などの関連部門にもご協力をいただきながら研究を進めていきます。こういうオープンで豊かな研究環境のなかで学生諸君が自分の研究に邁進しながら、さらに多くを学んでいくこともこの研究会の狙いです。
YNU-IASでは初めての研究分野でもあり2020年度・2021年度は月一回程度,洋上風力発電システムや周辺技術について本プロジェクト内の研究発表や、研究動向などの情報交換を行い、今後の研究方針等について皆様と幅広く議論をしていきました。2022年度も引き続き関連技術や最新動向等の情報共有を行うとともに具体的なシステムの提案に向けた活動を進める予定です。
ご参加いただく皆様とは明るく前向きな議論をして、開発研究に発展させコンクリート製浮体式洋上風力発電システムの完成に向けて貢献したいと考えています。